7.ここまでの実践
さぁ、ここまで学んだことを実際に使うとなると、どうでしょう。まずは復習から。
1.「勉強しなさい」と言わないと決心する
→決心できていますね。
2.「目標」を決める
→目標は、自然と子供が勉強に向かうことでした。
3.やる気スイッチなどという形式的なものに逃げない
4.動機づけ
→大事なのはここからです。
5.やる気維持のための文字によるメッセージ
6.やる気維持のための言葉遣い
ということで、まずは子供が勉強に向かうように仕向けましょう。今、目の前でテレビを見て大口をあけて笑っている子が目の前にいます。勉強をしに行くように仕向けましょう。
夜の7時10分です。
「○○ちゃん、そろそろ勉強する時間だね。」
「えー、もうちょっとぉ。」
「わかった、じゃあ、8時でこの番組が終わったらね。」
「はーい。」
→海外で使う値切りのテクニックを応用して交渉します。1000円のものを値切りたいときは、まずは極端に低い金額を提案します。相手が折れてきたら少しずつ値段を上げて、600円ぐらいまで値切る技術です。8時に勉強させたいのであれば、7時過ぎには声をかける。7時過ぎであれば8時に勉強という約束がしやすいのです。
「今日はなんの勉強をするの?」
「まだ決めてな―い。」
「じゃあ決めようか。算数でわからないところはあった?」
「うん。算数は難しいんだよね。」
「あら、算数のどんな問題が難しいの?」
「文章題。」
「文章題ね、ママも子供のころ苦手だったな。○○ちゃんがわかってくれると教えてもらえるね。」
「でもわかんないからこっちが教えてもらいたいんだよ。」
「そっかー。じゃあ、わかるようになるために何をしていこうか。」
「うーん。教科書の問題やってみようかな。」
「そうだね。でもいきなり問題やっても難しいんじゃないの?」
「じゃあ、教科書を読んでみる。」
→ここでは、教科書を勉強の道具として使うというところに持っていくために話していました。一言、教科書を読みなさいと言うのは簡単です。でも私のコーチング理論は、自分の口で教科書を読むと言わせたいのです。読みなさいと命令された子供と自分から読むと決めた子供ではどちらが効果が高いでしょうか。命令口調を使わないというテクニックですね。
「勉強進んでる?」
「うん。」
「教科書読んでわかった?」
「うん。わかったよ。」
「じゃあ難しい問題もできたんじゃない?」
「そう。学校でわからなかった問題がわかったんだよ。」
「すごいじゃん。どんな問題だったか見せて?」
「これ。」
「これは難しいね。これがわかったのはすごいね。じゃあこの調子で次の問題もがんばろうね。あとでごほうび持ってきてあげる。」
→都合よく子供が動いてくれているように見えますが、実際にやってみてください。同じような表現にはならないとは思いますが、あくまで狙い通りに動かすことです。そして一つの問題で終わらないように次に向かわせることです。
こんなケーススタディはたくさんの例を見ていきたいですね。一つひとつのテクニックと言うよりかは体系的にわかった方が応用もしやすいと思います。あくまで相手がいることで、しかも子供なので予測不能な返事が来るかもしれません。そんないろいろなことに対応できるように理論を身につけなければなりません。
がんばりましょう。