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「勉強しなさい」と言わなくても勉強するようになる 10のコーチングテクニックと実践

子供が自ら勉強するようになる、コーチングの極意。学習塾の経営コンサルタントが教えます。

6.やる気維持のために~声かけ・口調編~

文字でのコーチングでも意味を持たせられれば効果があると書きましたが、メインはやはり声かけです。しかし、その声かけも口調によって効果が変わってきます。

 

また、公文のころに戻りましょう。

あるとき、私は公文の経営者の先生から言われました。「口調が冷たい時があるから気をつけて。」と。私は冷たい気持ちなんて持っていませんでしたし、まさか自分の口調が冷たいなんてそれまで考えたことすらありませんでした。しかも、具体的にどんな時が悪いのか指摘されず、気をつけなさいと言われただけなので、どうしていいかわかりませんでした。まずは友人に確認するしかありません。普段話していて、僕の口調って冷たいと思う?と聞いてみました。何人かに聞きましたが、持つべきものは友人だと思いました。みな率直に意見を言ってくれたのです。言葉が乱暴な時がある、突き放すような語尾の時がある、鼻で笑うような時がある、などなど率直に言ってもらえました。あ、自分はそんなに悪い口調だったんだと気づくことができました。でも、その時は「そんなことない。そんなことない。」と言っていました。友人から、そう思われていたとなると、なかなかショックですからね。まずは突き放したり鼻で笑うなんて気持ちはまったくないよ。」と言って回らなければならないので、関係ない友人にもまずは言い訳して回りました。「今まで言葉が悪かったりしたかもしれませんが、悪気はありませんので。」「はじめまして。言葉が悪い時があるかもしれませんが、許してください。」のように言って回っていました。自分でも少し信じられない部分はあって、なかなか客観的になれませんでした。でも現実はいつか必ず受け入れなければならない時が来るのです。自分でも覚悟を決め、自分の話しているときの口調を客観的に見るようにしました。

客観的に見る方法は、自分が発した言葉を頭の中でもう一度繰り返すのです。もちろん相手が返事をしている間にです。それぐらいの処理は人間だれでもできます。慣れてくると、言葉を発する前に頭の中で処理できるようになります。この口調だったら相手にどのような影響があるか事前に考えてから言葉を発することができるようになります。

まずは徹底的に自分で聞いてても嫌だなと思うところを直していきました。乱暴だったり突き放したりという口調は、語尾までしっかりと発音することで直すことができました。「はぁ」ではなく「はい」というようなことです。鼻で笑うなんてことがあるのかと思いきや、実はあったのです。これは話相手からしたらとても嫌だったと思います。私としては相づちの、はいとかうんぐらいの気持ちで鼻息を出していたのですが、これは鼻で笑っているように感じます。

実は、先生と呼ばれる立場の人は、普段子供の相手をしているためか、こういうくせの人は多いのです。子供をバカにしている人間もいるし、私みたいに意識しないで使い続けてしまったかなのですが、塾や学校の先生には前者が存在するのです。他にも先生と呼ばれる人の口ぐせはたくさんあるのですが、また別の機会にしましょう。

とにかく私は自分の口調を直しました。だからって、何かが劇的に変わるわけではありません。私自身も何かが劇的に変わることを期待してやっていたわけではなく、ただ、自分として直したいと思ったから直しただけです。

しかし、気づく人は気づくのです。私に口調が冷たいと注意してくれた先生が、あるとき言ってくれたのです。

「私は、子供と話すときに意識していることがあります。それは、一つは否定の言葉を多用しないこと。~ない、という言葉はあまり使わないようにしています。もうひとつは、子供にがんばれという言葉はあまりかけません。がんばろうと言います。」

きっと、私が意識をして口調を変えたことに気付いてくださったのでしょう。次のステップとして、私はもっと考えて言葉を使っていますよ、あなたももっと考えなさいね、と言われたように感じました。

否定の言葉を使わない、がんばれではなくがんばろう、というのはとてもわかりやすい簡単な具体例を提示してもらえたと思いました。

「だめ」「~ない」は多用すると相手はめげていきます。責められているように感じます。

「がんばれ」は突き放すときに使います。「がんばろう」だと、一緒にいるよというメッセージを言葉の裏側に乗せることができます。

 

この話から、私は言葉というものには、表に出てこない裏の側面があるのだと気付きました。私のコーチング理論ではこの「裏のメッセージ」というのが大きなポイントとなります。子供を自然と勉強に動かしていくためには、子供の無意識に働きかけることが重要なのです。