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「勉強しなさい」と言わなくても勉強するようになる 10のコーチングテクニックと実践

子供が自ら勉強するようになる、コーチングの極意。学習塾の経営コンサルタントが教えます。

5.やる気維持のために~声かけ・文字編~

やる気を維持するためには声かけをし続けなければなりません。よく、「勉強してるの?」という声かけはするのですが、反抗的な返事が返ってきてケンカになる、とか、「勉強しなさい。」という声かけしかしてないのですが、これでいいのでしょうか?ということを言われることがあります。

声かけはしていかなければ、維持はできません。ピアノと一緒です。練習し続けなければ下手になってしまうのです。やる気も、声かけしていかなければ維持できません

ただし、「勉強してるの?」「勉強しなさい。」という声かけをずっとしているのでは意味がありません。理由は、どちらも同じ内容だからです。毎日同じことを言っていては効き目がないからです

では、どんな声かけのセリフがいいのか。それは次の機会にしましょう。

今回はその前段階です。どんなにすごいセリフを考えて言ったとしても、口調が悪かったら子供は聞く耳を持ちません。だから、セリフの前に、口調について書いておきましょう。

 

私が18歳で塾に関わったのは、公文の丸つけのアルバイトです。公文は教えないのが公文式なので、基本的にはひたすら丸つけをするのですが、生徒が持ってきた答案を高速で丸つけし、間違いがあればその場で返して即とき直しをさせるのです。すべて丸になるまで生徒は帰れません。丸つけする側は、その場で生徒が待っているのでとにかく速いことが重要です。教えるという関わりがない以上、生徒に対しては声かけぐらいしかできることはありません。塾講師としての教える技術は身につきませんでしたが、それ以上に大切なものをここで学ぶことができました。すべての公文がそうだとは言えません。私はたまたまものすごくいい指導者に出会った幸運者だと考えています。

その公文を経営していた先生は、当時幼稚園の子がいる主婦でした。まだコーチングなんていう言葉もない時代です。18歳の若者にとっては、子育てをしている先生の言葉はすべて受け入れやすい先輩の言葉でした。私がこれから書くことは、公文としてやっていることなのか、その先生の理論なのかはわかりませんので、公文で学んだとは書きません。あくまでその先生から学んだとしか言いようがありません。たくさん学んだのと、ケーススタディではないので、事細かに書くわけではありません。他にも応用できそうな例を出していくことにします。

まず、一番最初に言われたこと、○や100点は大きく書き、×や100以外の点数は小さく書く。声かけではないですが、メッセージを伝えるという観点ではこれもコーチングの一つです。子供の心理に与える影響を考えているのです。私はなるほどと思い、大きすぎると言われるぐらい大きく書きました。公文から離れてもずっと続けていました。そうすると、他の人はどうなのかとあるときに気になってしまったのです。平気で×を大きく書いている先生が塾にも学校に多い。たいしたことではないのかもしれませんが、私は、若いうちに学んでいてよかったと思いました。子供に与える影響に差はないかもしれないけど、少なくとも、この人たちよりは子供の心理というものを考えて行動していると実感できるのです。大学で教職課程を履修していれば、教育心理学は学びます。しかし、そこで学ぶことはすべて理論なのです。人間の不思議なところは、理論を実践で生かせないところです。理論では成績優秀な人でも、実践となると全然違うことをやっている。生かせないなら理論を学ぶ意味はないのです。私は教職課程を履修し、教員免許も持っていますが、まだ何の理論も学ぶ前に、この師匠とも呼べる先生に出会ったので、実践から入ったようなものです。実践で失敗しながら学び、あとから理論を学ぶ。あ、そういうことだったんだと後から気付く。その方が使える理論だと思います。とにかく、ここで言いたいのは、何か書くにしても、工夫をすれば、子供に心理的なメッセージを伝えることはできるということです。勉強を見るときに、上の例と同じように大きな花○をつけてあげるとか、スタンプをつけてあげるとかはできますね。これに意味を持たせるのです。スタンプやシールは多くの先生が実践しています。そして多くの先生が意味を持たせることができていません。意味を持たせるとはどういうことか。まさか、前の先生がやっていたから真似してスタンプを押しているなんていうアホな先生はいないと信じたいですが、きっといるのでしょう。そういうレベルの低い人はここでは無視します。誰でもスタートはスタンプを押せば子供が喜ぶから、自分が子どもだったとき親や先生がやってくれてうれしかったから、という意味を持って始めているはずです。どんなことにもスタートには意味があるのです。しかし、それが繰り返しになってしまうと、だんだんとその意味が薄れていってしまいます。子供からしても、がんばったらスタンプがもらえると最初はがんばります。でも、毎回同じスタンプだったり、スタンプがもらえなくなってくるとどうでもよくなってしまうのです。意味を見いだせなくなってしまうのです。ガリガリくんはたまに当たるからいいのです。いつも当たってたらおもしろくないのです。スタンプに意味を持たせるのであれば、毎回違うスタンプにしたり、たまにシールにしてみたり、絵を描いてあげるのもありです。スタンプがつかない子にもたまには残念スタンプみたいなものをつけてあげればいいのです。とにかく同じことをいつまでも繰り返さないことです。

留守番する子供にメモを残して出かけたりということもあるでしょう。そんなメッセージにも、意味を持たせるとおもしろくなります。冷蔵庫におやつが入ってるよ。とただ書かれたメモ。冷蔵庫におやつが入っているよ、絵。みたいに絵がついているメモ。子供はどちらをよく見るでしょうか。後者ですよね。後者の特に絵を見ますよね。だったらその絵に意味を持たせるのです。おやつがケーキならケーキの絵を描きましょう。子供はおやつを食べるという日常的な行為に、ケーキを食べるという特別な意味を見出すのです。絵が苦手なら、冷蔵庫に???が入っているよ。みたいなメッセージにしてもいいです。絵や記号という見慣れないものを入れるのです。子供からしたら、もう冷蔵庫を開けるのと宝箱を開けるのが同じぐらいのワクワク感です

これも毎回は同じ手が使えるわけではないので、要注意です。工夫を凝らしてください。それはこちらとしても楽しいはずです。

ちなみに私なら、「冷蔵庫に???が入っているよ。るすばんのごほうびね。」と一言添えます。そうすると、子供は留守番に意味を見出し、使命感まで持ってくれます。使命感を持った子は留守番の間に皿洗いとか勝手にやってくれるかもしれません。そんな時も、ありがとうと感謝の言葉をかける、すごいねと褒める、あなたなら当たり前だねと認める、などいろんなことができます。そんな時も、一言、「ありがとう。だったらまた留守番をお願いしてお母さんは出かけちゃおうかな。」と添えると、使命感は長続きします。今回の行動への感謝、褒め、認め、だけで終わらずに、次回に向けてひとこと言っておくのです。子供の心理には、今回の感謝、褒め、認めだけだと、そこで完結しますが、次回に向けてひとことあると、よし、次もがんばるぞという働きかけになるのです。